以下、バイクや車に興味の無い人には面白くない記事かも知れません。
気筒とはエンジンのシリンダー(筒)のことです。
この筒の中でピストンが往復運動をし、それをクランクケース内のクランクシャフトを介して回転運動に変換することにより、車は駆動します。
エンジンはその気筒の数によってシングルシリンダー(単気筒)やツイン(ニ気筒)、マルチシリンダー(四気筒)等、様々な呼称があります。
バイクでは1気筒、2気筒、4気筒、6気筒の四種類のシリンダー数のエンジンが主流です。
ごく少数ですが、3気筒や5気筒のバイクもあります。
有名なところで言えば、KawasakiのKHシリーズ(通称マッハⅢ)や、トライアンフのスピードトリプル等の3気筒エンジンがあります。
さて…、何故、突然こんな話をしだしたかと言いますと、
わたしのベルタはマルチ(4気筒)なんですけどね、なんと今朝、ベルタが珍しい3気筒エンジンのバイクに変身しました!(ぁ
エンジンを掛けた瞬間からもうね、音が違うからすぐに判りましたよ!
普通なら「ボボボボボボ」と連続した排気音なんですけど、今朝は「ブォッブォッブォッブォ…」と、今まで聞いた事もないいかにも”普通じゃない”音でしたw
言い方を変えれば…そうですね、
異常でしたね。
走ってみると、加速が全然違う!
レスポンス悪すぎてエンストこきそうになりました。
ベルタが「ちょまwww 一気筒死んでる死んでるwww」と叫んでいるのが全身に伝わってきました。
これはヤヴァイw 尋常じゃなくヤヴァイwww
という事でバイト先の駐車場でオペ(手術)開始orz
まずは4つある内のどの気筒が死んでる(点火されない)のかを診断。
しばらくアイドリングで暖気したあとエキゾーストパイプ(エンジンから伸びる排気用のパイプ。熱い排気ガスが通る)を触ってみます。いわゆる『触診』ですねw
死んでる気筒から伸びるエキゾーストパイプは熱くなっていないはずです。
まず左側から1番目を触って見ます。
熱!
どうやら1番目は活きているようですorz
次に2番目。
ア、
熱ゥ!!
2番目も活きてました。(´д`;)
続いて3番目。
アッー!!熱ゥ!!
…(´;ω;`)
4番目を触ってみます。
…暖けぇ~…。
4番目が死んでました。なんで右から触らなかったんだよ!わたし!orz
(※普通は軍手等を装着して触ります)
さて、死んでる気筒が判ったので次は原因を探ります。
考えられる原因は
・プラグのかぶり(スパークプラグがカソリンで濡れて火花が出ない)
・点火ケーブルトラブル(断線や接触不良など)
・キャブレタートラブル(ニードル系の詰まり等)
といったところでしょうか。
点火ケーブルの接触不良ならすぐ直せるなぁ、などと考えながらタンクを外します。
まずケーブルの接触の確認。ディストリビュータ(配電機)からプラグまでの接触を確認します。
が、接触不良は見当たりませんでした。
しかし、エンジンヘッドカバーのくぼみの部分に何かがあるのを発見しました。
手に取ってみます、直径6~7mm程度のなにやらゴム製のキャップのような物です。しかも良く見ると劣化してボロボロです。
この段階ではこれが何なのかサッパリわかりませんでしたが、どこかの部品であることは確かなので保管しておきます。
さて、接触不良ではないとすると断線か、あるいはプラグか、もしくはキャブレターか。
プラグのかぶりであればプラグを外して乾かせばすむ問題なのですが、残念なことにプラグレンチ(プラグの脱着に使う専用工具)が無かったので、キャブレターを診ることにします。
自動車整備の専門学校に通っていた経験のあるわたしでしたが、それも随分昔の話ですし、何より半年で中退してしまったので、キャブレターに関しては素人同然、直す自信など皆無でした。
しかし、キャブレターを診るとすぐに違和感に気付きました。
死んでる気筒のキャブレターだけ、他のキャブレターと違う、ある物が無い。
何が無いのかと言えば、ゴム製のキャップです。
そう、先ほどのゴム製のキャップです。
活きている気筒はフィッティング(チューブ等を接続するための機構)にキャップで蓋をされているのに対し、死んでいる気筒だけフィッティングが開放状態でした。
ためしに先ほどのキャップをフィッティングにはめてみます。
おおお!ぴったり合…わない!?全然合わないwwwwwwwwwうぇww!
どうやら、購入前からその部分だけゴムキャップが欠落していて、前オーナーか、考えたくありませんが、バイク屋が代用として別のゴムキャップを取り付けたようです。
サイズが合わないものを無理矢理はめ込んだもんですから、あちこち裂けてそこから侵食が進み、ボロボロになって最後には外れてしまったようです。
しかし、キャブレターに関してド素人のわたしは本当にこれが原因なのかわかりませんでした。
なので、まずはそのフィッティングの穴を指で塞いでエンジンを掛けてみます。
するとどうでしょう、以前のような小気味良い健康的なエキゾーストノートが聞こえてくるではありませんか!
直った!!これが原因かぁ~(超安堵)
原因がわかればあとは簡単です、要はこのフィッティングを塞いでやればいいだけの話。
ゴムキャップはボロボロで再利用は不可能だったのでバイト先からビニールテープをガメてきて、フィッティングに巻きつけます。
突貫工事ですが、とりあえずはこれで一安心!
元気になったベルタに跨って、無事に帰宅しましたとさ。メデタシめでたし。
家に帰ってから詳しい原因を調べてみました。
例のキャブレター上部のフィッティングはアイドル時のキャブレター内の負圧を測る装置を取り付けるための機構だそうです。
普段はそこには蓋がされていて、キャブレター内で一定の負圧が保たれるようになっているのですが、そこが開放されるとそこから空気が進入し、キャブレター内の負圧が低くなり、ガソリンが吸いだされる量が減って、混合気が薄くなり、燃焼不良を起こす。というのが詳しい原因のようです。